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多世代の健康を支える、対話型ウェルビーイング支援〜2025サテライトゼミの挑戦〜

こんにちは。私たちは東海林研究会の「コーチング班」です。スポーツを通して人がどう成長していくか、その支援の形を模索してきました。
今年度は、自分たちの大学の部活動と高校の運動部の両方を対象に、「ライフスキル」に注目したコーチング活動を展開しました。ライフスキルとは、ただ競技の技術を高めるだけでなく、人として自立し、社会で前向きに生きていくための力のこと。自己理解・目標設定・感情調整・他者との関係構築などが含まれます。

🧠 データからはじめる対話:ライフスキルアンケートの導入

活動の第一歩は、部活動にライフスキルアンケートを実施すること。2024年5月、各部の強み・課題を可視化するために、学生たちの考えや行動傾向をデータとして取得しました。

特に注目したのは、アメリカンフットボール部。部員数150人超という大規模組織ゆえ、「目標設定力」の得点が著しく低いという結果が出ました。そこで私たちは、この課題に焦点を当てたプログラムを構築することに決めました。

🛠 介入:目標と価値観を言葉にする

大きく2つのアプローチを用意しました。

  1. マイルストーンの設計

「人として」「部員として」どんな姿になっていたいか。春シーズン終わりや秋シーズン終わりなど、節目ごとに言語化し、自分自身の成長像を描いてもらう取り組みです。これにより、個人の目標とチームの目標を接続することを狙いました。

  1. 価値観共有ワーク

各部員が自分の中で大切にしている価値観を順位づけし、チームで共有。価値観の違いを知ることで、多様性を受け入れる姿勢や、他者理解・感謝の気持ちが育ちました。

🏫 高校生にも届ける:奈良学園・鵬学園での介入

今年度は大学だけでなく、高校への展開にも踏み出しました。

  • 奈良学園高校サッカー部では、自分史ワークやマンダラチャートを用いて「自分がどう成長したいか」「どういう人生を歩んできたか」を見つめ直す授業を実施。
  • 鵬学園高校では、「目標達成のために今自分がすべきこと」を明確化するワークを通じて、思考と行動をつなぐ力を高めました。

どちらもオンラインでの実施でしたが、対話や振り返りを重視した設計により、参加者の真剣な表情が印象的でした。

💡 私たちがこの活動を通して感じたこと

この取り組みを通して実感したのは、「問いかけることで、人は自分と向き合える」ということです。

アンケートやワークはあくまで“きっかけ”。本当に意味があるのは、その後に起こる「対話」と「気づき」でした。

最初は「目標なんて考えたことなかった」という学生たちが、「言葉にしたことで自分の中の軸が見えてきた」と語ってくれたとき、大きな可能性を感じました。

そして、目標や価値観を共有することで、チーム内に“心理的安全性”が生まれていく様子を目の当たりにし、人の成長は技術だけでなく、心のあり方と向き合うことから始まるのだと学びました。

真剣な表情が印象的でした。