# 学生時代にやったこと
体育会空手部で大学4年間を過ごした経験から、「スポーツとジェンダー」をテーマに研究や活動を行っていました。スポーツはそもそも「男性らしさ」と密接に発展してきたことや、身体的な強さや速さなどを競うことから、男性の優位性を再生産する側面もあります。しかし、近年では多くの女性や、性的マイノリティ、トランスジェンダーがスポーツに参加し活躍しています。あらゆる性別、性的指向を持った人々が、スポーツに心身の制限なく取り組めるような環境構築を目指してこのテーマの研究を志しました。
特に慶應の大学体育会をフィールドとしており、体育会総会でジェンダーワークを実施、そして、ジェンダーという領域の中でも生理にまつわる課題に着目し、体育会生を対象にしたフェムテック勉強会も開催しました。
# 現在の研究テーマ
修士では「生理の問題」にフォーカスを当てて研究しています。生理は当たり前にくるものなのに、生理用品が常備されていたり、適切なケアや情報共有が行われたりしていない現状がある中で、大学体育会部活を対象に「生理用品設置」の実証実験を行いました。生理当事者は、練習中の突然の生理や、大きな動きによる経血の漏れに強く不安を抱えており、動きを躊躇することもあるという意見もありました。この実験では、生理に関して環境整備されていることで、生理当事者はエンパワーメントされるのか、そしてどのような会話や行動が生まれるのかについて、生理を社会関係・人間関係から紐解いています。また、男性のスペースにも生理用品を設置しており、様々な議論のきっかけになる研究になっています。今後、社会やスポーツ界において生理が当たり前のものとして対応されるように、誰もがスポーツに前向きに取り組めるように研究として貢献したいです。